鳥が冬でも冷たい水の中を泳いでいるのを見たことがあるかと思いますが、鳥の足は寒くないのか気になったことはありませんか?
羽毛で温かそうですが、夏場の体温調節はどうしているのでしょう?
水鳥は水面下で必死に足をかいているというけど本当のところはどうなの?
今回はそんな鳥の防寒対策の方法や、鳥特有の特徴を解説していきたいと思います。
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鳥の足は冬でも寒くないのか?
人間が冬場に水に入ることはなかなかありませんが、水辺で暮らしている鳥たちはどうでしょう。
冬であろうが夏であろうが泳いでいます。
鳥が冬場でも平気な顔をして泳いでいるのには理由がありました。
鳥は、人間にはない特有の「ワンダーネット」と呼ばれる血管構造を持っています。
別名「熱交換装置」と呼ばれることもあります。
心臓から送り出される血液を身体中に流す動脈と、その送り出された血液を心臓に戻す静脈の2種類があります。
この原理をもとに、鳥の血管構造を簡潔にお伝えすると、血液が流れる動脈と静脈が複雑に絡まった構造になっていることで体温を一定に保つことができます。
つまり、ワンダーネットがあることで、体温の低下を最小限にまで抑えることが可能ということです。
そのため、鳥は冬場でも冷たい水で泳ぐことができるのです。
鳥は寒さに強い?
結論から言うと、鳥は寒さには強いです。
上記で解説したワンダーネットにより血行が安定しているので、少なくとも人間のような血行障害にはならないと言えるでしょう。
末端まで血液が行き渡らないと冷え性などの症状が出ますが、鳥はそこまで血管を収縮させなくともワンダーネットがあることで防寒対策はできるということになります。
それに加え、飛ぶことに使う羽根や羽毛も体温を守る上で重要になっています。
鳥の体温は何度あるの?
鳥の体温は40~42度と高いです。
これにも理由があり、新陳代謝をあげてエネルギーに変換しているためと言われています。
ほ乳類や鳥類はほとんどが恒温動物なので、体温調節の能力を持っています。
人間がエネルギーを作る時と同じ原理で、鳥もエネルギーの消費量に見合った食事や水分を吸収しています。
それに、鳥は他の動物よりも高い体温を維持しなくてはならないので、小さいからだに比べて食料や水分を摂取する量が多くなる傾向があります。
鳥は体温調節をどうやってしているの?
鳥は人間とは違い、汗腺がないので汗をかいて体温調節をすることができません。
水分補給や水浴びなどで体温を下げることももちろんしますが、発汗機能が発達していない動物は「パンティング」という方法で体温を下げています。
口を開けて呼吸をすることで唾液などの水分を蒸発させ、熱を放出する方法です。
犬が息を浅くはいている姿を見たことがある人は多いと思いますが、鳥も同じで、これがパンディングです。
他にも、羽毛で覆われていない足に血液を集中させて外気に触れることで熱を放出させているということもあります。
水鳥は足を水面下で必死にかいているのは本当?
「鴨の水掻き」という言葉があるように、水鳥は見えない水面下で必死にもがいているのでは?と思う人もいるかと思います。
バタバタと激しくもがいている、とまではいかなくとも泳ぐには水をかいて進む必要があります。
優雅に美しく泳いでいるようにも見えますが、実際はどうでしょう。
鳥は羽毛に空気が溜まって浮き輪のような役割になることで長時間浮かんでいられます。
この原理のもと、水鳥は沈まずに泳ぐことができます。
ただ浮いているだけとまでは言いませんが、必死にもがいているというわけでもありませんでした。
鳥の足の構造はどうなっている?~寝ている時に枝から落ちない理由~
鳥の足の構造は不思議で、ふくらはぎから足先にかけて腱になっています。
人間の膝を曲げる動作と同じように、鳥も足首を曲げると腱が引っぱられ、体重がかかると無意識に指と指の間が縮まります。
よく鳥の足は人間の足と逆の構造になっていると思われがちですが、そうではなくて、太ももや膝の部分は毛で隠れていて見えないのでそう感じてしまうだけです。
曲がっている部分は膝ではなく、かかとです。
その部分が腱になっているので自然と止まり木につかまることができるという仕組みになっています。
一見辛そうにも見えますが、鳥にとっての寝床は止まり木がベストポジションということになります。
ですので、鳥は眠っていても止まり木から落ちることはありません。
鳥はなぜ重力に逆らって飛べるのか?
まず、体が軽いということと、羽根がついているということは大前提でお話を進めていきます。
重力に逆らって飛んでいるわけではなく、翼にかかる揚力と重力の両方の力が釣り合っていることで飛ぶことができます。
そして重要な「風切羽」という不可欠な翼があります。
風切羽は三段階に分かれていて、初列・次列・三列の3構造あります。
揚力の一部でもある初列風切羽は、前に進むための推進力を生み、プロペラやジェットエンジンのような役割を担っています。
次列風切羽は空に浮かぶための力を生み出し、三列風切羽は空気抵抗を少なくし、浮くために必要な力を蓄えています。
それに鳥は骨の隙間が多く、体が軽い上に人間よりもはるかに胸の筋肉が多いです。
それらを持ち合わせているので鳥は飛ぶことができます。
鳥の足は冬でも寒くない?のまとめ
今回ご紹介した鳥の謎についてのまとめです。
・ワンダーネットがあることで寒さへの対応ができるため、鳥の足は冬の寒い水の中でも大丈夫
・鳥は寒さに強い
・体温は40~42度と高め
・パンディングによる体温調節をしている
・浮かんでいるのと近い状態で泳いでいる
・ふくらはぎから足先にかけて腱になっている
・飛ぶ時は揚力と重力の力が均等にかかっている
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