電車は電気を使って走っていますが、線路にも電流が流れています。
しかし線路に触れても感電することはありません。それはなぜなのか?また、線路に尿をかけると感電するのか?地下鉄の線路だと感電するのか?これらの疑問について調べてみました。
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電車の線路に触ると感電するのか?
結論から言いますと、線路に電気は流れてるけど感電はしません。
電流は高い電位(+)から低い電位(-)に向かって流れます。これが同じ電位であれば電流は流れません。
電車の電気の流れは変電所から架線に流れてパンタグラフから電車に。
電車から車輪を伝って線路へと流れます。最終的には線路から変電所へ戻っていきます。
線路に流れている電流は電車の機器で電気が消費され、モーターなど抵抗を通った後の電流なので電圧が降下して0Vになり、対地電圧が0Vなので感電しません。
線路は地面に接地しているから地上に居る人が感電するのでは?と思われるかもしれませんが、地面と線路は電位差がないので電流が流れることはありません。つまり、感電しないということです。
電気は通り道がないと流れません。危ないので絶対にやってはいけませんが仮に架線に人がぶら下がったとしても感電はしません。架線にぶら下がって架線以外の何かに触れると電気の通り道ができ感電します。
鳥が電線にとまっても感電しないのもこれと同じ理由です。しかし、電線にとまった状態で、電線以外の何かに触れると感電します。
ユーチューブでカラスが片足を電線に、もう片足を電線以外のところに触れて感電死しているのを見たことがあります。
これは他の何かに触れたとたんに、電気の通り道が出来てしまう為です。
線路に尿をかけると感電する?
さきほどの線路に触れると感電する?と少し似ている疑問なので調べてみました。
やってはいけない行為ですが、線路に向かっておしっこをしたら感電してしまうのでしょうか?これは感電しません。
大丈夫ですが、地下鉄だと少し感電する可能性があり話が変わってきます。
どういうことかというと、全ての地下鉄に当てはまるわけではありませんが、地下鉄はコスト削減になるのでトンネルの穴の大きさを小さくしてパンタグラフを使用せず、架線を電車の上にもってこないで、線路の隣に架線を敷設します。この線路のことを「第三軌条」というのですが、この第三軌条は架線と変わりありません。
もし、地下鉄でおしっこをして第三軌条にかかると感電してしまうかもしれません。尿はバラバラの連続した小さな水滴なので可能性としては低いです。
それでもアメリカでおしっこをして感電死したという事件がありました。モラルとしてやってはいけない行為ですが、感電してしまう可能性がわずかでもあるならしない方がいいのは言うまでもありませんね。
地下鉄の線路は感電する!?
さきほど第三軌条について少し触れましたが、架線と変わりないものです。
体が地面に触れている状態で第三軌条に触れてしまうと感電します。
第三軌条に触れずに線路だけに触れるのは大丈夫ですが、この第三軌条が線路の近くにあるので大変危険です。
600Vもしくは750Vの電圧を流し車両に給電しています。
命を落とす危険がかなり高いので地下鉄の線路に物を落としたりしても勝手に拾いあげようとしないようにしましょう!
もし、棒か何かで物を拾いあげようとして第三軌条に触れてしまうと危ないので、駅員さんを必ず呼んで拾ってもらうようにしないといけません。
電車の車輪って滑ることはないの?カーブってどうやって曲がっているの?これらのことを詳しく書いてる記事はこちら↓
交流電化区間のレールでも電気は感電しない
電車には直流の電化区間と交流の電化区間があります。冒頭で線路に触れても感電しないですよと書いたのは直流の話です。
では、交流の電化区間でも同じようにレールに触れても感電しないのでしょうか?
もちろん感電することはありません。感電する危険があるなら踏切りなんて危なくて渡れないですからね。
50Hzまたは60Hzの交流電力が一般的です。
交流はプラスとマイナスが入れ替わります。電流は電位の高い方から低い方へ流れます。
つまり、プラスからマイナスの方へ流れます。2万Vの電流が流れているとすると、
①架線が2万ボルト・レールが0ボルト(架線が+、レールが-)
②架線がマイナス2万ボルト・レールが0ボルト(架線が-、レールが+)
このように架線の電圧が上下することでプラスとマイナスを入れ替えています。
架線からレール間で2万Vの電流が流れていますが、レールは0Vのままです。
地面も0Vなので、同じ電位では電流が流れない為レールに触っても感電しないのです。
陸橋と跨線橋(こせんきょう)は何が違うの?陸橋と歩道橋の違いについても。
線路を触ると感電する?のまとめ
電車には直流と交流の電化区間があり、どちらの電化区間の線路を触っても感電することはありません。
電流の流れは、変電所から架線へ、架線からパンタグラフを通じて電車へ、電車から車輪を伝い線路へ、線路から変電所へ戻ります。
線路に流れている電流は電車の機器で電気が消費され、モーターなど抵抗を通った後の電流なので電圧が降下して0Vになり、対地電圧が0Vなので感電しません。
線路に尿をかけても感電することはありませんが、地下鉄によくみられる第三軌条は線路の近くにあり、架線と同じなので第三軌条におしっこをかけてしまうと感電する可能性はある。
東海道新幹線がバラスト軌道(線路のまわりに石を置いている)のままなのはなぜなのか?詳細はこちら↓
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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コメント
電車にも直流運転?と交流運転?があるとのこと
交流は架線とレールでプラスマイナスが入れ替わる
しかし
変圧器の極性
プラス側を架線
マイナス側をレールとしているため
交流であったもレール側には対地電圧が生じないのでしょうか。
コメントありがとうございます。
専門家ではありませんので、もし間違えていたら教えていただきたいのですが、レールも架線と同じ周波数でプラスとマイナスが入れ替わります。
電車の補助回路や接地用にレールを利用するためです。レールを地面と接続することで、電車の車両と地面との間に電位差が生じることを防いでいます。
wood-ryou さん
こんにちは。
回答ありがとうございました。
電車は直流と勝手な思い込みがありました。
交流のほうが電圧制御もしやすいと聞きました
大電力供給
効率もあり交流が多いいのでしょうね。