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モノレールが普及しないのはなぜ?電車との違いやなぜモノレールが作られたのかについて

跨座式モノレール その他

なんとなく普段から乗っている方もいると思いますが、モノレールと電車はなにが違うんだろう?

なぜもっとモノレールは普及しないのだろう?またモノレールが作られた理由ってなんだろう?

跨座式や懸垂式とはどんなモノレールなのか?懸垂式モノレールは日本のどこにあるのかなど、ふとしたモノレールの疑問について調べてみました。

この記事でモノレールとはどういった電車なのか、メリットやデメリットは何か?がわかるようにしております。

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モノレールが普及しないのはなぜ?

モノレール

少し難しい内容になってきます。なるべくわかりやすく書いていきたいと思います。

まず普及しない理由ですが、最大の理由として建設費が高くなってしまったことにあります。

走行路のレールが1本であるため、走行するために必要な装置を付けた台車は、走行用車輪の他に「案内車輪」「安定車輪」というものが必要になります。

1つの台車を作るための構造が複雑化したせいで高価になってしまったとの事です。

また、レール自体も高さが高いところに作るため建設費が高価になります。

次に、レールのメンテナンスが大変という点です。

『モノレール』に使われるレールは高い位置にあるため、点検する際は専用の保守車両に乗らないといけません。

レールの上を歩いて移動することは大変危険です。

また、車両が何らかの理由で止まった場合に乗客の避難が大変です。

結果、建設費と維持費が高価してしまったため、運賃の問題もでてくるということですね。

電車を作ることだって高価な気がしますが、『モノレール』となにが違うのでしょう?

モノレールと電車の違いって何?

まず『モノレール』とはなんなのでしょう。

「モノ」というのはギリシャ語で「1」を表します。

一つのレールで走る車両が『モノレール』ということですね。

『モノレール』はゴム製のタイヤで走り、電力をレールの横にある電線からモーターに流して動いています。

また、レールは高所に作られています。

『モノレール』の型は2種類あり、跨座型(こざがた)モノレール懸垂型(けんすいがた)モノレールというものです。

跨座型(こざがた)モノレール

跨座式モノレール

 車体の重心がレールの上にあるもので、1本のレールに車両がまたがって走る方式の車両です。

懸垂型(けんすいがた)モノレール

懸垂式モノレール

 車体の重心がレールの下にあるもので、レールを走る台車から車体が垂下されている方式、つまりぶら下がっている状態の車両です。

では、電車はどんな構造でしょう?

電車は「電動客車」を略したもののようです。

2本のレールの上を鉄製の車輪で走ります。

屋根にあるパンタグラフという集電装置を介して、電線から電力を集めて動力としています。

自走可能な客車、貨車、分散動力方式の車両のことを「電車」と言います。

分散動力方式とは、列車を編成している車両のうち、いくつかの車両が動力をもっている方式をいいます。

レールは、地面に砕石(バラスト)やコンクリートを敷き、その上に枕木やコンクリート板を設置してレールを固定しています。

このような違いがありました。

大まかにいうと、レールが「1本」と「2本」、「ゴム製のタイヤ」と「鉄製の車輪」、あとレールの設置場所という違いがありますね。

共通点は、どちらも電線から電力を供給しているところでしょうか?

確かに『モノレール』の方が複雑な感じがしますよね。

レールを高い位置に作る技術も相当なものですし、

危険な作業になるでしょうから、建設費が高くなってしまうのもうなずけます。

電車があるのに、なぜ『モノレール』を作ったんでしょう?

モノレールはなぜ作られた?

日本で『モノレール』を使い始めたのは、1928年に大阪市の天王寺公園で開催された「大礼奉祝交通電気博覧会」というイベントです。

会場間を移動する目的で「空中電車(懸垂飛行鉄道)」が開発されました。

その後、1951年に豊島園でこども用の遊戯物として「空飛ぶ電車(懸垂型モノレール)」が開発されました。

いずれも本格的な交通機関として使われていませんでしたが、戦後の高度経済成長期に『モノレール』技術が活かされます。

自動車の急増に伴い都市交通が活発化していったため、道路を作れる範囲の狭い日本は街路上空に設置できる『モノレール』に注目しました。

当時、地下鉄事業が進み始めていましたが、車両開発費用や設備工事等が高価であったため、比較的安価で製造できるとされた『モノレール』に力を注いていきます。

1972年に「都市モノレールの整備の促進に関する法律(都市モノレール法)」が制定され、1985年1月、「都市モノレール法」に基づいて建設された北九州モノレールが第一号となりました。

現在まで運行している『モノレール』は、9事業者11路線となっています。

モノレールのメリットとデメリットとは?

『モノレール』は電車や地下鉄に比べ、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

モノレールのメリット

・公道の上に建設するため、用地を必要としない。

・ゴムタイヤを採用しているため騒音が少なく、摩擦が大きいので勾配にも強い。

・小さい曲線にも対応できる。

・ゴムタイヤは急発進、急停車に強く、駅間を長くする必要がなく効率が良い。

モノレールのデメリット

・鉄道や地下鉄に比べて高速で移動ができない。

・車両が止まってしまうと乗客の避難が難しい。

・タイヤの摩耗が早いので、メンテナンス回数が増え維持費が高価になる。

・鉄道や地下鉄に比べて乗車人数が少ない。

以上のように開発当初の『モノレール』は、比較的開発費用が安価とされて製造したものの、地下鉄より安価ではありましたが、開発費・維持費がそこまで良心的ではなかったようです。

モノレールの最高速度は?

『モノレール』も何種類か型があるので、表にまとめました。

以下をご覧ください。

車両名 営業最高速度
[km]
設計最高速度
[km]
車両型式
(代表)
地域
東京モノレール 80 90 10000 日本
80 90 2000
80 80 1000
ムンバイモノレール 80 Sutra Gen2 インド
ラスベガスモノレール 80 INNOVIA200 USA
サンパウロメトロ15号線 80 INNOVIA300 USA
重慶軌道交通2号線 75 QKZ2 中国
重慶軌道交通3号線 75 QKZ11 中国
大阪モノレール 75 80 3000 日本
大阪モノレール 75 80 2000 日本
大阪モノレール 75 80 1000 日本
湘南モノレール 75 5000 日本
75 500
大邸3号線 70 80 3000 韓国
シアトルセンターモノレール 70 96 USA
北九州モノレール 65 80 1000 日本
多摩都市モノレール 65 80 1000 日本
沖縄都市モノレール 65 1000 日本
千葉都市モノレール 65 type0 日本
千葉都市モノレール 65 1000 日本
ウォルトディズニーワールド 64 89 MarkⅥ USA
ヴッパータール空中鉄道 60 1970s ドイツ
KLモノレール 55 80 Sutra Gen2.1 マレーシア
55 80 Sutra Gen1
ディズニーリゾートライン 54 リゾートライナー 日本
セントーサエキスプレス 50 80 シンガポール
ディズニーランド 48 MarkⅦ USA
上野懸垂線 20 40 日本

全世界路線別に表してみました。

公道を走る一般車両で、最速は「東京モノレール」の90㎞ですね。

全世界で比較しても日本が一番早いというのはなんとなくうれしいです。

上記以外にも運用外の実験用『モノレール』というものがありまして、最速はドイツの「フューリンゲル実験線」で160kmを記録しています。

こうしてみると、公道で走る『モノレール』の速度は鉄道や地下鉄に比べると遅いですね。

どのような仕組みになっているのでしょうか。

モノレールはどういう原理で動くの?仕組みについて

「モノレールと電車の違いって何?」でお話したように、跨座型(こざがた)モノレール懸垂型(けんすいがた)モノレールの2種類がありましたね。

ここでは、もう少し深堀してご説明しましょう。

跨座型(こざがた)モノレール

コンクリートでできた一本のレールにまたがって走行します。

ゴムタイヤが使用され、レールを両側から挟み込むようにタイヤが配置されています。

また、挟み込むだけでは安定しないため、上下2段、2対のタイヤが設置され安定性を確保しています。この車輪で走行方向を案内しているので「案内車輪」と呼ばれています。

車体を支えるにもゴムタイヤを使用しています。

幅の広いコンクリート製のレール上面にあわせて、車体の中心線下に2本のタイヤを設置して支えています。車体を支えるため「安定車輪」と呼ばれています。

この安定車輪に動力伝達が行われて走行します。

■懸垂型(けんすいがた)モノレール

「吊り下げ式」、「ぶら下がり式」とも呼ばれています。

車輪とレールが車体の上部にあり、車体が屋根の上を支店に振り子のように揺れるため左右の揺れは大きくなります。

重心がレールからかなり下に位置しており、最も安定した方式といわれているようです。

跨座型(こざがた) 懸垂型(けんすいがた)ともに、『モノレール』はゴムタイヤで走りますが、電車と同じく電気で走行します。

電気が流れている架線はレールに取り付けられており、車体についている板状のパンタグラフ(集電装置)へ通電されています。

モノレールが落下した事故ってあるの?

日本では『モノレール』の接触事故や一部脱輪、ブレーキ故障によるオーバーランなどがあうようですが、『モノレール』自体の落下事故は今のところ見つかりませんでした。

ところが、韓国では観光用モノレールの脱線事故があったそうです。

2021年11月30日、韓国・慶尚南道統営市(キョンサンナムド・トンヨン市)の欲知島(ヨクチド)で発生した観光用モノレール脱線事故にて、約5mの高さから地上に落下したと発表した。

この事故により乗客8人が足を骨折などの大けがを負ったとの事。

当時『モノレール』はターミナルに到着する50mほど前で急停止したが、管理職員は「異常なし」と判断し、約10秒後に遠隔操作で『モノレール』を稼働させた。

ところが『モノレール』は傾斜20度の曲線区間で突然速度が増し、そのまま断線したとの事。

警察は速度抑制システムに異常が生じたものとして調査を進めているそうだ。

日本における『モノレール』の安全性について、気になると思うので調べてみました。

モノレールの安全性について

今回は東京モノレール様を参考にして、いくつかの安全対策をご紹介いたします。

ホーム可動柵の設置

プラットホームとレールの間を遮へいすることで、ホームからの転落防止や接触事故を防止し、安全性を向上させている。

ホーム可動柵と連動した可動ステップの設置

プラットホームと『モノレール』の隙間が大きくなっているため、転落防止対策として隙間を狭くできる可動ステップを設置。

足の踏み外しや転落事故を防止するようホーム可動柵と連動している。

乗降性の向上

従来のホーム可動柵より開口を広くすることにより、乗客がスムーズに乗降できるように考えられている。

AED(自動体外式除細動器)の設置

急な事態を考慮して、お客さんが安心して利用できる取り組みとして設置。

駅社員全員がAEDを使えるように講習を受けている。

安全報告書

『モノレール』を安全・確実・快適に利用できるように、毎年「安全報告書」を作成し安全確保のための取り組みや実態を、誰でも閲覧できるように作成している。

こちらを見る限り、努力と誠意が強く伝わってきますね。

完璧は難しいですが、できる限りの安全性を意識して取り組んでいるので安心して利用できます。

モノレールの全国一覧を教えて!また懸垂式モノレールは日本のどこにある?

簡単な一覧を作ったので、参考にしてださい。

黄色が懸垂式モノレールになります。

車両名 方 式 所在地
東京モノレール 跨座式 東京(羽田空港)
大阪モノレール 跨座式 大阪(大阪空港)
湘南モノレール 懸垂式 神奈川(鎌倉市)
北九州モノレール 跨座式 福岡(北九州市)
多摩都市モノレール 跨座式 東京(東大和市)
沖縄都市モノレール 跨座式 沖縄(那覇市)
千葉都市モノレール 懸垂式 千葉(千葉市)
ディズニーリゾートライン 跨座式 千葉(浦安市)
上野懸垂線 懸垂式 東京(上野)

モノレールが普及しないのはなぜ?電車との違いやなぜモノレールが作られたのかのまとめ

『モノレール』が普及しにくかったのは、建設費とメンテナンス費が高価だったという理由でした。

電車とは違いは、レールの数がモノレールが「1本」に対し、電車は「2本」。

モノレールは「ゴム製のタイヤ」ですが、電車は「鉄製の車輪」。

レールの設置場所が違う。

日本では9社の『モノレール』が現在も滞りなく運行しています。

大きな事故もなく安全に乗車することができるのは、事業に携わってきた人たちや歴史的な知識と技術によるものだと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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