乗り物酔いしやすい人は、電車やバスなどで移動するときに「酔ってしまわないか?」「具合が悪くなったらどうしよう」と不安になってしまいますよね。
実は、座席の位置や場所に気を付けると改善することがあるのです。
この記事を読むと電車で酔わない為の席がわかります。
また、乗り物酔いの予防や対策に最適な飲食物というのもあります。
今回は、電車やバスで乗り物酔いしないための座席選びや、予防と対策について解説いたします。
また、酔う人続出といわれる「振り子式列車」にまつわる話題にも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
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電車で酔わない為のオススメの席とは?
電車で酔わないためには、車両の真ん中あたりに座ると良いです。
電車の振動は、車輪から台車を介して車両に伝わってきますが、台車に近い車両の前後部分は、振動による揺れが大きい場所でもあります。
なので、台車から遠い真ん中の席が一番揺れが少ないのです。
ちなみに、バスの場合はタイヤとタイヤのあいだの席、前から4~5列目に座ると良いでしょう。
電車は横向きの席だと酔いやすい?
では、座る向きはどうなのでしょうか?進行方向に座るのが一番酔いにくいですが、通勤電車でよく使われる横向きのロングシート席やボックス席を後ろ向きで座ると、酔ってしまう可能性があります。
それはどうしてなのでしょうか?
その説明の前に、そもそもなぜ乗り物酔いしてしまうのか?について解説します。
耳の奥にある内耳には三半規管や耳石器があります。
三半規管で体のバランスを調整し、耳石器が重力を感じ取るのですが、これらがキャッチした情報と目からの視覚情報にズレが生じると、脳が混乱して自律神経が整わなくなり、乗り物酔いが起きてしまうのです。
進行方向に向いて座った場合、景色は前から後ろに流れます。
車両が加速すれば体は後ろに押され、減速すると前側に倒れるような感覚を受けます。
これは自然な現象であり、脳にとって違和感のない状態です。
それが、横向きや後ろ向きに座ると、目からの視覚情報と内耳や体が感じる情報がいつもと違うと認識され、脳が違和感を感じます。
さらに車両の揺れや振動が加わると、脳が混乱して対処しきれなくなり、自律神経に乱れが生じて「酔い」という現象になってしまうのです。
電車で酔わないための方法ってある?
電車で酔わないためには、車両の真ん中あたりの座席に進行方向に向かって座る、ということが有効ですが、その他の対策についても詳しく解説します。
視覚からの刺激をおさえる
電車内で本やスマホを見続けると、体は揺れているのに目は小さな範囲をずっと固定したまま見ているので、脳は動作が矛盾していると感じて混乱してしまいます。
酔いそうだな、と感じたら外の景色を見て目を休ませましょう。
匂いの強い食べ物を持ち込まない
匂いは自律神経に負担がかかりやすいため、匂いの強い食べ物を食べたり持ち込んだりすることは控えたほうが良いです。
また、衣類の柔軟剤や芳香剤などの匂いが強いと影響を受けやすいので、着ていく服にも気を付けましょう。
睡眠不足や疲れを防ぐ
睡眠不足や疲れがあると自律神経が乱れやすくなりますが、電車に乗ると揺れや振動によってさらに負担がかかってしまいます。
体調を整えておくことが乗り物酔いを防ぐためにも有効です。
新鮮な空気を取り込む
車内の空気が悪いと自律神経にストレスがかかります。
窓を開けるなどして新鮮な空気を取り入れるようにしましょう。
窓が開かない電車の場合は、扉付近などの空気の出入りが多いところに移動すると良いですね。
車やバスで酔う人でも電車で酔わないのはなぜ?
車やバスは、信号などで停車や発進を繰り返すことで車体が前後に揺れます。
また、交差点や峠道のヘアピンカーブなどを走行すると車体は大きく横に揺れます。
これを繰り返すと体に大きな負担を感じて車酔いになってしまいます。
これに比べて、電車の停車や発進時の加減速は緩やかですし、急カーブを曲がることも少ないので、車やバスに乗車したときに比べて体への負担が少なく、電車では酔わない人が多いのです。
ただし、車やバスが高速道路を走る場合では、定速走行が続いてカーブも緩やかなので、あまり酔わないのではないでしょうか?
路面状況が良くて穏やかな運転をしていれば、車酔いは抑えられるでしょう。
また、車を運転する人が車酔いになることは少ないですよね。
これは、アクセル・ブレーキやハンドル操作は、運転手がコントロールしており、そのため車両の挙動を予測しやすく、脳が混乱しないためだと思われます。
振り子特急とは何?振り子式特急の乗り心地は?
振り子特急とは、台車と車体のあいだに振り子の機構を設け、カーブを通過するときに車体の遠心力を打ち消すように内側に傾けて走行できるようにした列車のことです。
これによりカーブ通過時の速度がアップして運行所要時間を短縮させました。
振り子の機構は台車で受けた振動が車体に伝わりにくいという特徴があり、乗り心地を良くする効果があります。
振り子は当初自然振り子式でしたが、カーブ前後の独特な振動の影響で酔いやすいという欠点がありました。
その後、制御付き振り子式が登場してからは、酔いにくくなって乗り心地が改善されています。
振り子式電車で酔わない方法ってある?
まずは、車両の真ん中あたりに進行方向に向かって座り、前項で紹介した電車で酔わない方法を実践してみてください。
さらに以下の方法も行ってみると良いでしょう。
座席のシートを倒してリラックスする
お腹が圧迫しない姿勢を取ると吐き気が改善されます。
リクライニングシートを倒して体をリラックスさせましょう。
またズボンのベルトを少し緩めてお腹の圧迫感を取り除くとさらに効果的です。
酔いにくい食べ物を取る
チョコレートやあめなどの糖質が高い食べ物は、血糖値が上がり脳が活性化され酔いにくくなる効果があります。
また梅干しはクエン酸が疲労を回復させる効果があるので、疲れた脳にも有効です。
さらにガムを噛むのも効果があります。
ミント系の味は刺激があって口の中がスッキリするのでお勧めです。
頭が揺れないようにする
頭が揺れると三半規管が刺激を受け続けるので酔いやすくなります。
ヘッドレストや窓に頭を押さえつけるなどして、出来るだけ頭を固定するようにしましょう。
気分を紛らわす
「酔ったらどうしよう」と不安な気持ちでいると、ますます酔いやすくなってしまいます。
同乗者と会話を楽しんだり、ヘッドホンで音楽を聞いたり、車窓をぼんやり眺めたり、などで気分を紛らわすのも効果があります。
酔い止めの薬を服用する
酔い止めの薬を服用することも効果があります。
乗車する30分~1時間前を目安に服用すると良いでしょう。
また、酔ってから服用する場合にも効果があるので、いざというときのために持ち歩くのも良いですね。
特急やくもは、吐いてしまいやすい列車なの?
特急やくもは、1973年に伯備線の岡山~出雲市間を運行している381系特急列車で、自然振り子式を採用した現在では唯一の列車になっています。
振り子式は、台車と振り子梁(はり)のあいだに円筒形のコロが設置されています。
車両がカーブを曲がるときに振り子梁がコロの上で傾斜しますが、直進しているときにも振り子梁が動いてしまい、これが微弱な振動となって車両に伝わることが酔いの原因の一つとされています。
前項では、振り子式は乗り心地を良くする効果があると書きましたが、それは比較的大きな振動を抑えているためです。
しかし微弱な揺れを抑えることは出来ず、「乗り心地は良いのに酔いやすい」ということになってしまいました。
さらに、カーブ前後で起きる振り子式独特の振動も影響して、乗り物酔いする人が続出するようになりました。
ちなみに、2024年にやくもはモデルチェンジします。273系の新型振り子式車両が投入される予定で、381系の自然振り子式列車は姿を消すことになります。
3半規管を強くするにはどうしたらいい?乗り物酔いの克服の仕方
乗り物酔いを克服するには、揺れに慣れることが重要です。
そのためには幼少期から対策しておくと効果があります。
発達期である3歳~12歳の子供は、三半規管などの内耳に対する刺激に敏感に反応してしまい、乗り物酔いになりやすいのですが、大人になると老化によって刺激に対して鈍感になり、酔いにくくなります。
そこで、子供のうちから揺れに対して慣れておくのが良いとされています。
例えば、ブランコに乗ったり、でんぐり返しをしたり、回転する椅子に座って回ってみる、などを行って内耳や脳に刺激を与えるのです。
また、お腹のなかに赤ちゃんがいるときに、たくさん乗り物に乗ると酔いにくくなるそうです。
乗り物酔いを克服するには、慣れが大いに関係してきます。
けれども、20歳を過ぎても乗り物の揺れに慣れず、吐き気やめまいなどの症状に悩まされる人も多いと思います。
その場合は何らかの病気の可能性がありますので、病院に行って相談してみましょう。
乗り物酔いにコーラが良いとされるのはなぜ?
炭酸水は胃腸や自律神経の調子を整える働きがあり、カフェインは感覚の乱れを抑制する効果があります。
コーラは炭酸とカフェインの両方を摂取できる飲料なので、乗り物酔い対策に適しています。
また、ペパーミントやショウガを使った飲み物も効果があるようです。
逆に、オレンジジュースなどの柑橘系の飲み物は、胃を刺激してしまい症状を悪化させる可能性がありますので、控えたほうが良いでしょう。
電車で酔わない為のオススメの席とは?車やバスで酔う人でも電車で酔わないのはなぜ?のまとめ
ここまで、電車などで乗り物酔いが起きないための予防や対策を中心に、振り子式列車についても話題を広げて解説しました。
電車やバスに乗ったときに突然見舞われる乗り物酔い、とても辛いですよね。
そのようなときは、座席の位置や向きなどに注意しながら、ここで紹介したさまざまな予防や対策を試してみてはいかがでしょうか。
きっとご自分に合った最適な酔い止め方法が見つかると思います。
この記事を参考に、乗り物酔いの不安から解消されて、お出かけや旅行を心置きなく楽しめることを願っています。
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