マガモは日本で1番生息数が多いと言われています。オスとメスで羽の色が違ったり、求愛の時は鳴き声を変えたりと様々な特徴があります。
そのマガモは渡り鳥なのですが、渡りをしないマガモもいることをご存じでしょうか?
なぜ渡りをしないのか、マガモとカルガモとアイガモの違いについて調べてみました。
この記事を読んでカモの疑問を解消してくださいね。
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目次
マガモは渡り鳥?飛来時期や飛ぶ距離はどれぐらい?
マガモは渡鳥です。
飛来場所が日本全国ありますが、平均9月頃に飛来します。
秋から冬にかけて日本に渡来し、春に日本を経ち、繁殖地に移動するという流れです。
飛ぶ距離は場所によって様々ですが、平均1000〜2000kmの距離を飛行することが多いようです。
中には3000km以上飛ぶ個体も存在しています。
また、カルガモは留鳥なのでカモが飛来していない期間に国内で目にした場合は、カルガモの可能性が高いです。
渡りをしないマガモもいる?
マガモにとって良い条件が揃う場所に拠点があれば、渡りをしないこともあります。
また、マガモの体調や状況次第でも渡りが困難になる場合があります。
主に渡りをしない原因としては以下のような理由が挙げられます。
・若すぎて体力がない
・繁殖する年齢に達していない
・餌が十分にある
・ケガで飛行が困難になった
元々渡り鳥は餌を求めて越境しますが、このような場合は渡りを行いません。
マガモとカルガモとアイガモの違いは?
オスとメスで違いが分かれています。
★メス
メスは「過眼線」と「くちばし」で見分けます。
過眼線とは、くちばしから目を横切って走る線のことですが、過眼線がマガモよりもカルガモの方がはっきり見えます。
もうひとつの違いはくちばしです。
カルガモは、黒いくちばしで先端が黄色です。
一方、マガモはくちばしの色が全体的に黄色になっています。
★オス
オスは「頭部」と「尾羽(おばね)」で見分けます。
繁殖期のマガモの頭部は「生殖羽(せいしょくう)」で光沢感のある緑色をしています。
生殖羽とは、繁殖期の鳥が持つ美しい羽毛のことを指します。
しかし、生殖羽は繁殖期がすぎるとメスと同じ羽の色に戻ります。
一方、カルガモは通年通して茶色い羽毛が特徴です。
もうひとつの違いは尾羽です。
マガモの尾羽は黒く、先端がはねたカールのような形をしています。
対して、カルガモは頭部と同じ茶色い羽の一色で統一しています。
また、アイガモとは野生のマガモと家禽(かきん)されたアヒルを交配した雑種になります。
家禽とは、品質改良を施して飼育された鳥類を指します。
マガモは何を食べている?
マガモは主に、生きている植物を食べる植物食動物です。水草や植物の種、ヤゴやタニシなども食べます。
日中は安全なところで休み、餌の確保は夜に行います。
マガモは青首(あおくび)って呼ばれているのはなぜ?
名前の由来は、オスの頭部が青みがかった緑色をしていることからきています。
角度によっては青にも見えることから「青首」とも呼ばれている様です。
色調を表す際に緑を青に含むことがあり、両方の色を合わせ「青」と表現しています。
マガモの産卵時期はいつ頃?
繁殖期は4月〜8月ごろです。
水辺で浅い皿状の巣を作り、産卵します。
卵は平均11個産み、サイズはニワトリの卵に近い大きさです。
他のカモ類と同様、抱卵や育児はメスのみで行います。
抱卵開始から約30日で孵化し、雛鳥は40〜60日で飛べるようになります。
マガモの天敵とは?
肉食哺乳類や猛禽類(もうきんるい)が天敵です。また、人を含めた肉食哺乳類も天敵に当たります。
優雅に泳いでいて温厚なイメージがありますが、人間にとってもカモが天敵になる場合があります。
年々減少傾向にはありますが、農作物への被害が報告されています。
防鳥ネットなどの設置をして対策をしましょう。
マガモの寿命はどれくらい?
平均寿命は5〜10年と言われています。
飼育下では20年ほどで、最高寿命は29年と報告されています。
鳥類はオスの方が長生きする様です。
鳥類の限界寿命は同等サイズの哺乳類に比べて、約2倍にもなるという情報もあります。
オシドリや鴨のつがいは本当に仲良しなの?
仲睦ましい夫婦を「オシドリ夫婦」とも呼びますが、由来とは反対に夫婦とは程遠い関係性のようです。
繁殖期前から繁殖期にかけての短い期間でしか夫婦生活を共にしません。
繁殖期を過ぎるとペアの関係がリセットし、毎年違うペアを組んでいます。
仲良しと言えるかというと、そうでもないのかもしれませんね。
鴨のつがいは一生一緒にいる?
カモも同じく毎年ペアを変えているので、夫婦で一生添い遂げるということはありません。
越冬地では冬越しだけでなく、つがいの形成もします。
そうすることで子育て期間が短縮し、渡り後すぐに巣作りの準備ができます。
カモは、抱卵から子育てまで全てメスのみで行います。
他の理由としては、オスの求愛によりメスが餌を確保できないことがあります。
つがいになれば、オスがガードしてくれるので採食に集中できるというメリットもある様です。
餌の確保や栄養補給も冬の間に行うことで、時間のロスがありません。
マガモは渡り鳥だが渡りをしないマガモもいる!?のまとめ
今回はマガモの生態について解説していきました。
最後にマガモについてまとめていきます。
✔マガモは9月頃に飛来する渡り鳥で、平均1000〜2000kmの距離を飛ぶ
︎✔︎マガモの飛行条件によっては渡りをしない場合もある
✔︎マガモとカルガモは性別によって違う特徴がある
✔︎アイガモは野生のマガモと家禽されたアヒルを交配した雑種
✔︎マガモは主に、生きている植物を食べる植物食動物
✔︎産卵時期は4月〜8月ごろ
✔︎天敵は肉食哺乳類や猛禽類
✔︎平均寿命は5〜10年
✔︎オシドリや鴨のつがいは仲が良いわけではない
✔︎鴨つがいは一生を共にする関係性ではない
マガモが飼い慣らされて改良されたのがアヒルであったり、カルガモの交雑種も見られることがある様です。
近年ではカモが野生化して私たちの身近な存在になりつつあります。
野生の鳥を観察する機会はなかなかありませんが、興味を持たれた方は是非この記事を参考にしてみてください。
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