「ロープウェイって吊ってるだけだから乗っていて怖い」「ロープウェイとケーブルカー、ゴンドラリフトの違いって何?」
本記事では、行楽やスキーのお供であるロープウェイとケーブルカーの仕組みの違いや、日本で一番古い生駒のケーブルカーや、日本で一番長いロープウェイについてご紹介します。
また、ロープウェイに似ているゴンドラリフトの特徴や違い、ロープウェイの安全性についてもお教えします。
ロープウェイやケーブルカーの仕組みに興味がある方は、是非この記事を最後まで読んでみて下さい。
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ロープウェイとケーブルカーの違いって何?
ロープウェイとケーブルカーの大きな違いは、空中を移動するか、地面を移動するかです。
ロープウェイは、山の斜面などで空中に渡したロープに吊り下げた輸送用機器で人や荷物を運搬します。
一方、ケーブルカーは、山の斜面に設置された、レールの上を走る鉄道の一種です。
ロープウェイとケーブルカーは、どちらも車両には動力が搭載されておらず、駅や高所に設置されたケーブルウインチで牽引することで車両を動かしています。
ロープウェイはどうやって動いてるの?
ロープウェイは、主に山頂に設置されている巻き上げ装置を用いて、曳索(えいさく)と呼ばれるロープでゴンドラを動かしています。
ロープウェイの仕組みは、山の斜面などの空中に張った支索(しさく)と呼ばれるロープの上に、ゴンドラを吊り下げています。
ゴンドラを吊り下げている部分に車輪が付いているので、曳索に引っ張られても支索を傷つけることはありません。
ロープウェイの動力は、山頂に設置されたモーターです。このモーターで曳索を動かして、曳索の両端に取り付けた2台1組のゴンドラを交互に引き上げたり、下ろしたりしています。
ケーブルカーの原理は?どうやって動いている?
ケーブルカーは、主に山の上側の駅に設置されている巻き上げ装置を用いて、ケーブルの両端に接続された車両を動かしています。
ケーブルカーの特徴は、電車と同様にレールを用いた鉄道だということです。また、ケーブルの両端に車両を取り付けるので、2台1組で運用されます。
車両の動力は巻き上げ装置でケーブルを動かすことで、片方の車両を引き上げると、もう片方の車両が下りてくるという仕組みで動いています。
レールの外側の車輪は、レールを挟み込んで脱輪しないようになっているフランジタイヤが使われています。
フランジタイヤを使う事で、始点から終点まで1本で繋がっているレールに沿って走るようになっています。
ケーブルカーとロープウェイそれぞれのメリットとは?
ケーブルカーのメリットは、レールの上を車輪で走るので荷重を分散でき、比較的収容人数を多くとれます。
また、保守点検に関しても、レールの目視点検とケーブルの点検、巻き上げ機の点検は地上で行えるので、点検にかかる期間を短くできます。
一方、ロープウェイのメリットは、地形による影響を受けずに高低差があれば設置できることです。
ロープウェイといえば、登山やスキー場で使われているイメージがありますが、浜名湖には湖上を渡るロープウェイもあります。
また、地下鉄などに比べて設置コストが安く、南米では都市部でも交通手段として用いられています。
ロープウェイとゴンドラの違いは?
ロープウェイとゴンドラの違いはロープの数です。
ロープウェイは支索(しさく)と曳索(えいさく)の2本のロープを使って動かしていますが、ゴンドラは支索と曳索を1つにまとめた太いロープにゴンドラを固定して動かしています。
また、一度に運搬できる人数も大きく違います。ロープウェイの定員は100名以上乗れるものもありますが、ゴンドラの定員は10人前後しか乗れません。
しかし、ロープウェイは2台1組で運用しますが、ゴンドラはロープに対して複数台取り付けて運用できるので、少ない人数を複数回運搬する事に関してはゴンドラの方が向いています。
ゴンドラリフトの仕組みとは?
ゴンドラリフトは、ロープウェイと同様に、主に山頂に設置されている巻き上げ装置を用いて動かしています。
索道(さくどう)と曳索(えいさく)の役割を果たす1本の太いロープに、一定の間隔で複数のゴンドラが固定され、巻き上げ装置でロープと一緒にゴンドラが循環しています。
そうして上流から下流へ、下流から上流へと常にゴンドラは動き続けるのです。
常に一定の速度で動くと、乗り降りが不便になるので発着場に着くとゴンドラとロープの固定部が外れるようになっています。
ロープから外れたゴンドラは発着場内のレールに乗って移動します。
乗客の乗り降りをするために減速して一定区間走行した後、ゴンドラを加速してロープの速さと同調させてからゴンドラとロープを固定し、ゴンドラを循環させます。
ロープウェイの安全性は大丈夫なの?ケーブルから外れたりしないのか?
ロープウェイには安全に運航するために、多くの安全策が講じてあります。
まず、ロープウェイのゴンドラを乗せている支索が強風が吹いたりした際に、切れてしまわないか不安に感じるのではないでしょうか。
実は、支索の上部は固定されていますが、下部は巨大な重りを吊っているだけなのです。
巨大な重りの上には滑車がついていて、ワイヤーに強い力が加わると重りが上がって力を逃がす仕組みになっているのです。
また、ゴンドラが支索から外れたとしても、曳索と平衡索の2本のロープでゴンドラを吊れるように出来ています。
ロープウェイは3本のロープでゴンドラを動かしていて、そのロープ1本1本が丈夫に作ってあり、簡単には切れないように出来ています。
万が一、ロープ1本になってもゴンドラは落ちないように作られています。
日本最古のケーブルカーは?
↑生駒ケーブル
奈良県生駒市にある、「生駒ケーブル」が日本最古のケーブルカーです。
大正7年8月27日に開業し、2018年に創業100周年を迎え、令和4年現在も運行されています。
現在では、当時の路線から延長され、生駒山頂まで運行する山上線と元々ある宝山線の2路線になっています。
この2路線を合わせると全長約2kmとなり、生駒ケーブルは国内最古で、国内最長のケーブルカーとなっています。
日本で一番長いロープウェイはどこ?
↑箱根ロープウェイ
神奈川県にある箱根ロープウェイは全長4005m(早雲山駅〜大涌谷駅は全長1472m、大涌谷駅〜桃源台駅は全長2533m)あり、国内最長のロープウェイです。
ただ、途中で乗り換えをする必要があり、単独の全長では新穂高ロープウェイ(第2ロープウェイ)の2598mが一番長いロープウェイとなっています。
新穂高ロープウェイは岐阜県にあり、第1ロープウェイ(573m)と第2ロープウェイを合わせると全長3171mです。全長では箱根ロープウェイに次ぎ、日本で2番目に長いロープウェイなのです。
また、ゴンドラリフトを含めると新潟県にあるドラゴンドラが全長5481mを単独の路線で運航しています。
ロープウェイとケーブルカーの違いって何?のまとめ
本記事ではロープウェイとケーブルカーの違いや、それぞれの仕組みについてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
ロープウェイやケーブルカー、ゴンドラリフトが動く仕組みや、それぞれのメリット、ケーブルカーの安全性などについて知っていただけたなら幸いです。
この記事を読んで、ロープウェイとケーブルカーの違いを覚えていただけたなら、旅行に行ってロープウェイやケーブルカーに乗るときには、話のタネとして同行者に仕組みや安全性について教えてあげてください。
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